松尾大社

松尾大社 楼門 未分類

松尾大社

松尾大社(まつのおたいしゃ)は、京都市西京区嵐山宮町に位置する、京都最古の神社の一つです。創建は大宝元年(701年)と伝えられ、主祭神として大山咋神(おおやまくいのかみ)と市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)を祀っています。

歴史と由緒

松尾大社の歴史は、平安京遷都以前に遡ります。渡来人である秦氏が一族の氏神として信仰した古い社であり、平安時代には皇城鎮護の神として崇敬されました。

醸造の神としての信仰

松尾大社 亀の井

松尾大社は古くから醸造の祖神としても信仰されています。境内に湧き出る霊泉「亀の井」の水を酒造りに用いると、酒が腐らないと伝えられています。 このため、全国の酒造家から厚い信仰を受けています。

松尾大社 瓶子
松尾大社 酒樽

松尾大社の境内に並ぶ多数の酒樽は、同社が「日本第一酒造神」として全国の酒造家から篤く信仰されている証です。また、松尾大社では毎年11月の最初の卯の日に醸造安全や豊穣を祈願する「上卯祭」、4月の中旬の酉の日に醸造終了を感謝する「中酉祭」が執り行われ、全国の醸造関係者が集まります。

これらの祭事や酒樽の奉納は、松尾大社が古くからお酒の神様として信仰されてきた歴史と、醸造家たちの深い崇敬の念を示しています。

建築と庭園

松尾大社 本殿

本殿は室町時代初期の建築で、「松尾造」と称される独特の様式を持ち、重要文化財に指定されています。 また、境内には昭和の作庭家・重森三玲による「松風苑」と呼ばれる三つの庭園があり、訪れる人々を魅了しています。

霊亀の滝

松尾大社 霊亀の滝

松尾大社の境内奥に位置する「霊亀の滝」は、松尾山(別名:別雷山)から流れ出る落差約8メートルの二段の滝で、古くから神聖視されています。 ​

この滝には、首に三つの星、背に七つの星を持つ緑と金色の毛の亀が現れたという伝説があり、これが瑞兆とされ、元正天皇が「霊亀」(715〜717年)に改元されたと伝えられています。

また、滝の近くには「亀の井」という霊泉があり、延命長寿や蘇りの水として信仰されています。 ​霊亀の滝は、松尾大社随一のパワースポットとして、多くの参拝者が訪れます。

祭礼と行事

毎年4月には「松尾祭」が執り行われ、特に神輿が桂川を船で渡る「神幸祭」は圧巻の光景として知られています。 松尾大社は、歴史的・文化的価値が高く、京都の信仰と文化を今に伝える貴重な神社です。

アクセス

所在地:〒615-8296 京都府京都市西京区松室山添町15
開門時間:9時~16時
駐車場:第二鳥居横に無料駐車スペース有
電車:阪急電車 嵐山線 松尾大社駅から徒歩約5分
バス:京都バス

主祭神・ご利益

主祭神:大山咋神・市杵島姫命
ご利益:

大山咋神

大山咋神(おおやまくいのかみ)は、日本神話に登場する山の神で、主に土地や山の守護神として信仰されています。

市杵島姫命

市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)は、日本神話に登場する女神で、宗像三女神の一柱として知られています。

周辺のパワースポット

松尾大社周辺には、徒歩圏内にいくつかの注目すべきパワースポットがあります。以下にご紹介いたします。

月読神社(松尾大社摂社)

月読神社 鳥居

月読神社(つきよみじんじゃ)は、京都市西京区に位置する神社で、松尾大社の南約400メートルの場所に鎮座しています。主祭神として月読尊(つきよみのみこと)を祀り、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)も合祀されています。月読尊は日本神話に登場する月の神で、天照大神(あまてらすおおみかみ)の弟、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の兄にあたります。

創建の詳細は明らかではありませんが、『日本書紀』顕宗天皇3年(487年)2月の条に、月神が人に憑依して土地の奉納を求めたという記述があり、これが当社の起源とされています。

月読神社 月延石

境内には、神功皇后(じんぐうこうごう)ゆかりの「月延石(つきのべいし)」が祀られており、安産・子授けの信仰を集めています。古来より、妊婦が「戌の日」に参拝し、安産祈願を行う習わしがあります。

月読神社 願掛け陰陽石

月読神社の境内には、「願掛け陰陽石」と呼ばれる二つの石があります。​これらの石は、左右一対となっており、参拝者が両手で優しく撫でながら願い事を心の中で唱えることで、願いが叶うと伝えられています。

また、月読神社は「松尾七社」の一つに数えられ、平安時代の『延喜式神名帳』にも記載されている式内社です。月読尊は、月の満ち欠けと潮の干満を司る神として、海上安全や農業にも関わる信仰の対象となっています。

このように、月読神社は歴史的・神話的背景を持ち、安産祈願の場としても多くの参拝者が訪れる神社です。

アクセス

所在地:〒615-8296 京都府京都市西京区松室山添町15
開門時間:5時~18時
駐車場:鳥居横に無料駐車スペース有
電車:阪急電車 嵐山線 松尾大社駅から徒歩約10分
   阪急電車 嵐山線 上桂駅から徒歩約20分

主祭神・ご利益

主祭神:月読尊
ご利益:

月読尊

月読尊(つくよみのみこと)は、日本神話に登場する月の神で、天照大神(あまてらすおおみかみ)や素戔嗚尊(すさのおのみこと)と共に「三貴子(さんきし)」と称される重要な神の一柱です。

梅宮大社

梅宮大社 鳥居
梅宮大社 楼門

梅宮大社(うめのみやたいしゃ)は、京都市右京区に位置する歴史ある神社で、酒造の神および子授け・安産の神として広く信仰されています。奈良時代、橘諸兄の母である橘三千代が酒解神(さけとけのかみ)と酒解子神(さけとけこのかみ)を祀り、酒造の安全と子孫繁栄を祈願したことに始まります。その後、嵯峨天皇の后である檀林皇后が現在の地に遷座し、当社に祈願して初めて皇子を授かったと伝えられ、以来、子授け・安産の神として信仰されています。

梅宮大社 本殿

境内の神苑は四季折々の花々が楽しめる回遊式庭園で、梅、桜、花菖蒲、紫陽花などが美しく咲き誇ります。特に梅の名所として知られ、約35種の紅白の梅が早春の訪れを告げます。

また、梅宮大社は猫が多く暮らす神社としても有名で、訪れる人々の癒しの存在となっています。 さらに、梅宮大社は日本最古の酒造の神を祀る神社としても知られています。 梅宮大社は、歴史的な背景と自然の美しさ、そして猫たちの存在が調和した、訪れる価値のある神社です。

アクセス

所在地:〒615-0921 京都府京都市右京区梅津フケノ川町30
開門時間:9時~17時
駐車場:無料駐車場有
電車:阪急電車 嵐山線「松尾大社駅」下車徒歩約10分
バス:市バス「梅宮神社前」下車すぐ

主祭神・ご利益

主祭神:酒解神・酒解子神
ご利益:

酒解神

酒解神(さかとけのかみ)は、日本神話に登場する神で、主に大山祇神(おおやまつみのかみ)の別名として知られています。

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