伊勢神宮の内宮(正式名称:皇大神宮)は、三重県伊勢市に鎮座する日本を代表する神社で、皇室の祖神であり、日本人の総氏神とされる天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りしています。約2000年前、垂仁天皇の御代に五十鈴川のほとりにご鎮座されました。


内宮の入口である宇治橋を渡り、玉砂利を敷き詰めた長い参道を進むと、神域「心のふるさと」と称される日本の原風景が広がります。境内には、正宮のほかに別宮として荒祭宮(あらまつりのみや)や風日祈宮(かざひのみのみや)などがあり、天照大御神の荒御魂や風雨を司る神々をお祀りしています。
また、内宮の参拝は、外宮(豊受大神宮)を先に参拝し、その後に内宮を参拝する「外宮先祭」の習わしに従うのが正式とされています。参拝の際は、御正宮から別宮の順に回るのが正式な順序です。
内宮の参拝時間は、季節によって異なります。1月から4月および9月は午前5時から午後6時、5月から8月は午前5時から午後7時、10月から12月は午前5時から午後5時までとなっています。
伊勢神宮内宮は、日本の歴史と文化を感じることができる神聖な場所であり、多くの参拝者が訪れています。訪れる際は、静寂と自然に包まれた神域で心を清め、日常を離れた特別な時間を過ごすことができます。
瀧祭神
伊勢神宮の内宮(皇大神宮)にある「瀧祭神(たきまつりのかみ)」は、五十鈴川の川岸に鎮座する神様で、内宮の別宮や摂社とは異なる特別な存在です。この神様は、五十鈴川の守護神として、川の清らかさと神聖さを象徴しています。
瀧祭神は、天照大御神にお仕えする神様とされ、内宮の神域を清める役割を担っています。五十鈴川での禊(みそぎ)や神事の際には、まず瀧祭神に祈りを捧げるのが古来からの習わしです。この神様は、神宮の祭祀において重要な位置を占めており、参拝者にとっても特別な存在とされています。
瀧祭神の社殿は、五十鈴川の清流のほとりにひっそりと佇んでおり、訪れる人々に静寂と神聖な雰囲気を提供しています。内宮を訪れる際には、瀧祭神にも参拝し、五十鈴川の清らかな流れとともに心を清めることができます。本殿にお詣りする前に参拝すると良いとされています。

伊勢の神宮 本殿(正宮)
伊勢神宮の本殿(正宮)は、内宮(皇大神宮)の中心であり、天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りしています。この正宮は、約2000年前、垂仁天皇の御代に五十鈴川のほとりにご鎮座され、日本人の総氏神として崇敬されています。神体としては、三種の神器の一つである八咫鏡(やたのかがみ)が祀られています。
建築様式は「唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)」と呼ばれ、日本古来の建築様式を今に伝えています。特徴として、檜の素木造り、丸柱の掘立式で礎石を使用しないこと、切妻・平入の高床式で棟木の両端を支える棟持柱があること、萱葺の屋根の上には鰹木が置かれていること、千木は屋根の搏風が伸びた形状であることなどが挙げられます。
正宮は神聖な場所とされ、一般の参拝者は御垣内(みかきうち)と呼ばれる垣根の外から拝礼します。また、伊勢神宮では20年に一度、社殿を新しく建て替える「式年遷宮」が行われており、最新の遷宮は2013年(平成25年)に執り行われました。
参拝の際は、外宮(豊受大神宮)を先に参拝し、その後に内宮を参拝する「外宮先祭」の習わしに従うのが正式とされています。正宮を訪れることで、日本の歴史と文化、そして神道の精神に触れることができます。

荒祭宮
伊勢神宮内宮(皇大神宮)の別宮である荒祭宮(あらまつりのみや)は、天照大御神の荒御魂(あらみたま)をお祀りしています。荒御魂は、神の積極的・活発的な側面を表し、特に行動力や決断力を求める際に参拝されることが多いです。
荒祭宮は、内宮に所属する十の別宮のうち第一に位し、社殿の規模も他の別宮より大きく、正宮に次ぐ大きさを誇ります。正宮から御稲御倉や外幣殿を越え、石段を下りた北方のやや小高い場所に鎮座しています。
神宮の祭典では、正宮に続いて荒祭宮で奉仕が行われ、奉幣の儀には天皇陛下の使者である勅使が参向します。また、神御衣祭(かんみそさい)などの重要な祭典も、正宮と荒祭宮でのみ執り行われることから、その重要性がうかがえます。
参拝の際は、正宮をお参りした後に荒祭宮を訪れるのが正式な順序とされています。その際、石段の途中にある「踏まぬ石」と呼ばれる石を避けて通るという古くからの習わしもあります。
荒祭宮は、伊勢神宮内宮の中でも特に格式が高く、神聖な場所として多くの参拝者に崇敬されています。

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